政府がISPに対し対し海賊版サイトのブロッキングを要請し、議論になっています。あなたは以下のどの対策が正しいと思いますか?
— Kazuho Oku (@kazuho) April 25, 2018
832票もの回答をいただきました。ありがとうございます。結果をみて、いくつか感想を述べさせていただきたいと思います。
▪️海賊版サイトに対し、なんらかの新たな対策が必要かどうかについて
83%の方々が、なんらかの新しい対策を取ることに積極的賛成、あるいは消極的賛成という立場を取られていることがわかりました。一方で、17%の方々が、少なくとも現時点では新たな対策は不要であり、出版社等の権利者は現行法に基づき、刑事告発、民事訴訟、DMCA Takedownなどの手法を用いて戦うべきだと考えていらっしゃることもわかりました。
▪️ブロッキングという手法について
意見が綺麗に割れました。
42%の方々が、緊急の、あるいは法整備に基づいたブロッキングが適当だとされました。一方、58%の方々が、ブロッキング以外の手法を用いた対策を整備すべき、あるいは整備は不要であると回答されました。
このことからは、「通信の秘密」が単なる法律の条文ではなく、守るべき価値のあるものだと考えていらっしゃる方々が相当数いらっしゃることも読み取れるのかと思います。
▪️ISPが政府の要請に従うべきかについて
5%の方々が、「ISP各社は政府の要請に従ってブロッキングすべき」と答えられました。私のフォロワーには(ブロッキングに従事することに法的リスクがあったり、通信の秘密を重要視したりしがちな)情報通信産業の関係者が多いことを考えると、緊急のブロッキングを求める声は実際にはもっと大きいと考えられます。
皆さんは、この結果を見て、どのように考えられますか?
▪️その他
ツイッターのアンケート機能の、各選択肢が25字制限というのは辛かった。「その他、わからない」という選択肢を足せなかったも悲しかった。
▪️免責事項
私はCDN企業に勤める従業員です(ただし、著作権を侵害するコンテンツの配布を禁止している企業であるため、海賊版サイトとの利害関係はない)。また、IETFにおいて、通信の傍受(と傍受によって可能になるブロッキング)が困難あるいは不可能になるようなプロトコル設計に従事しています。通信の秘密の保護はIETFのプロトコル設計の要件のひとつ(RFC 7258)なのですが、その価値について、他の方々がどのように考えているか、お伺いすることができて、うれしく思っています。